2014年1月26日日曜日

角かくし

 能楽は高度に象徴的な芸能である。この能楽が、女の嫉妬に狂った姿を象徴するときにその生き霊が角の生えた鬼面をつけて出てくることは面白い。それで嫉妬を恐れた昔の人は、その角が出ないように、婚礼のときには花嫁に「角かくし」をさせるようになったのだ、という説があるが、いかにもありそうな話である。

渡部昇一 「レトリックの時代」より

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