2014年6月22日日曜日

私の名前 たっちコラムno.46

こどもたっち 6月号発行になりました。今月号のコラムです。

 私の名前は母が、ひとつ上の兄の名前は父がつけました。母は女の子が生まれたらこの名前にしようとずっと決めていたのだそうです。でも幼い頃の私は「もっと違う名前がよかった」と母に言っていました。今思えばとってもひどいことを言っていたと思います。思春期になり、自分に自信がない私は自分の名前がもっと好きではなくなりました。現実の自分を受け入れられず、違う自分になりたいと思っていたのでしょう。 
 でも「私の名前、悪くないな」と思えるようになりました。以前ご紹介した詩「名前は祈り」。この詩は黒川伊保子さんの「怪獣の名前はなぜガギグゲゴなのか」をヒントにして書かれたもので、そこから黒川伊保子さんに興味を持った私は彼女の本を何冊か図書館から借りて読みました。その中で「音相(おんそう)」という考え方を知りました。ことばは意味だけでなく、意味にまつわるイメージや雰囲気を伝える働きがあり、そのイメージや雰囲気は音によって伝わるのでそれを「音相」と呼ぶのだそうです。
 私の名前からどんなイメージが連想されるのかを音相の本で調べてみました。そこに書かれていることを読んで「やっぱり私の名前はこれしかない、この名前でよかった」とやっと思えました。何度もその名前で呼ばれることで、私は私になってきたのです。「名前は祈り」の詩がより一層味わい深く感じられ、大事な人達の名前がとても愛おしくなりました。

音の持つイメージの観点から赤ちゃんの名前を考える、という新しい視点に立った名付け事典。
自分の名前の音はどんなイメージを人に与えるのか?名付けをするしないにかかわらず、
自分の名前のイメージを調べるのも面白いです。市立図書館にあります。


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