湯本駅前のミニシアターKuramotoで行われた
映画『注文に時間がかかるカフェ』鑑賞+吃音者交流会(ふくしま吃音懇話会によるミニ講座つき)
私の周りでは吃音(きつおん)の人はいないけれど、放課後デイサービスで働いているので
「もしかしたらそういうお子さんをお預かりすることもあるかもしれない。
だったら勉強しておきたい。」と思って参加することにしました。
映画は40分弱のものでした。
吃音があることでスムーズにしゃべれない。
でも本当は接客業をしたかった、カフェの店員さんになりたかった、という4人の若者が
一日限りのカフェをオープンさせたお話です。
吃音を持っている女の子が、自分で作詩した曲をギターを弾きながら歌うシーンがありました。
彼女は歌うことが大好きだったけれど、吃音があることでみんなの前で歌ったことがなく
初めてみんなの前で歌を披露したのでした。
歌詞を聴きながら「つらい思いを沢山してきたんだろうな」と思うと涙が止まりませんでした。
私の大好きな絵本「たいせつなきみ」のワンシーンが思い出されました。
醜い、灰色のだめじるしをたくさんつけられた木彫りの人形とつくりぬしとのやり取り。
「ずいぶん たくさん つけられたね」
「そんなつもりじゃ なかったんだよ エリ。 ぼく いっしょうけんめい やったんだ」
絵本の主人公と、歌を歌う彼女の姿が重なりました。
映画の後はミニ講座と交流会がありました。
県内で働く言語聴覚士であり、吃音のある当事者の黒澤先生が
吃音とはどんな症状なのかを説明してくださいました。
(世界各国同じ100人に1人の割合だそうです)
その後、先生自身のこれまでの人生を振り返り
吃音であることを知られたくなくて様々な努力をしたり
どういう心理状況だったのかを話してくださいました。
また吃音当事者の方に向けて、お役立ちテクニックとして
先生が今まで試してきた対処法等、たくさん披露してくださいました。
先生は現在はほとんど支障なくお話しできるようになったとおっしゃっていましたが
映画に出てくる吃音当事者である彼らの吃音もそんなに気にならなくて
かえって「あれ?」と思うくらいでした。
でも周囲の人はさして気にならなくても、当事者にとっては深くふかーく悩んでいる
ということも先生のお話で分かりました。
ミニ講座の後は交流会。
男性と女性に分かれてそれぞれ映画を観た感想などを語り合いました。
女性のグループにはふくしま吃音懇話会の代表をされている森さんがいらっしゃいました。
お子さんの吃音がきっかけでこの活動を始められたそうです。
福島市内では7~8回ほど交流会を開いたそうですが、浜通り地区では初めてとのこと。
森さんはお子さんが成人されてから吃音と初めて向き合ったそうですが
ご自身の経験から、吃音については小さいころからの支援が大事であるということでした。
ちなみに吃音は2~3歳ころから自覚がでてくるそうです。
私は午後の大人の部に参加したのですが
午前中は中学生以下の部があり、十数名の親子が参加されたとのことでした。
一緒にお話した方の中に、言語聴覚士のお仕事をされていた方もいらっしゃいました。
言語聴覚士のお仕事の話を伺ったり
市内にも言語聴覚士はいるのだけれどほとんどがシニアの方を担当されている、とのことでした。
なのでいわきで吃音のお子さんは黒澤先生(郡山の病院で勤務)のところに通っているそうです。
吃音で悩んでいる人がいる、ということは今まで全く知らなくて、私の中では衝撃でした。
しかも市内にもそういったお子さんがいる。軽度であっても本人は非常に悩んでいる。
本人自身が抱え込んでいて、親にも必死に隠している場合もあるかもしれない。
私にも何かお手伝いできることはないだろうか……。
ということで、リーフレットを何種類かいただきました。
子育てコンシェルジュさんに配布協力のお願いしたので
市内7カ所にある各地区の保健福祉センターで入手できると思います。
またダウンロードもできますので、こちらもぜひご活用ください。
また黒澤先生のInstagramでも、吃音に関する情報を発信しているのでこちらもおススメです。
広島市言語・難聴児育成会 きつおん親子カフェ 作成のリーフレットは
こちらよりダウンロードできます。
(文字が小さくなるため、印刷されたリーフレットの方がおススメのようです。
数に限りはありますが、子育てコンシェルジュさんのところにあります)
黒澤先生が制作、
ふくしま吃音懇談会が発行したリーフレットも
子育てコンシェルジュさんのところにあります。
そうすることで、みんなが生きやすい社会になっていけたらいいなと思います。