桜の時期ももう終わり。
車を運転しながら遠くの山を見ると、緑色の山の中にぽん、ぽんとピンク色が点在するのが見える。あのピンク色は桜の木だな、とすぐに分かる。
私も頭の中で絵筆を持って、絵の具を使って頭の中に絵を描く。山の緑色の中に薄いピンクや白の絵の具をぼんやり落として、ほら桜の木ができあがり、と。
そして、今が一番美しい時期だなぁと思う。至る所で桜の花が咲き乱れているから。
でも、ふっと思う。山の緑の中に薄いピンクが点在する様子を見て、美しいと感じるのは日本人だからじゃなかろうか、と。
日本人は小さい頃から、桜の木は美しい、桜の花びらの散る様は「あはれ」だと教えられてきた。だから桜の木を見ると美しいと思うのだろうか。もしそう小さい頃から教えられてこなかったなら、あの山の色を見ても何とも思わなかったのかもしれない。
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