私がパン屋で働いていた頃のご近所さん。今は薄磯で営業しています。
元々は薄磯の、海の横を走る道路沿いにお店がありました。
私が学生時代に1度か2度行ったことがあり「素敵なお店だな」と思ったことを覚えています。
しかし震災の時に津波でお店が流されたため
私の働くパン屋さんの近所に引っ越してきたのでした。
薄磯のお店のテイストを市営住宅の1階のテナントで見事に再現させて
同じ市営住宅の1階でも入居する人が違うとこんなにも変わるのか~と驚いたものです。
どこの席にしようか迷って
この黒板には「常磐産業株式会社特約店」とありました。時代を感じさせる~。
つい最近「昔、そういえば“ボタン屋さん”があったなぁ」って
小学校に行く途中にボタン専門店があったことを思い出して
裁縫の上手な祖母に連れられて行ったら、とにかくありとあらゆる種類のボタンを取り扱っていて
もうそういうお店ってなくなってしまったなぁってさみしく思っていたところ。
こちらのボタンは量り売りしているのかな?
なんだか気持ちまで小さかった頃に一瞬で戻ってしまったような、不思議な気持ち。
静かに読書しながらカフェタイムをしたいときにいいかも。
お冷が入っているのはもともとは日本酒が入っていた瓶。オシャレ~。
オーナーの手作りだそうです。
以前は買い付けにも行っていたそうですが、最近は行ってないのよ、と。
焼肉にはすりおろしの生姜がたっぷり入っていて、私の好きな味付き梅干しつき。
私は遅めのランチだったのでしっかりご飯を食べたいと思ってこちらにしましたが
朝はモーニングがあったり、軽食やデザートもありました。
カウンターのガラス越しに置いてあったコーヒーサイフォンで
他のお客さんがオーダーしたコーヒーを淹れるところを見ることもできました。
なかなかそういう機会ってないから珍しくて……。
店内にはとにかく沢山の、レトロなものやアンティークなものがいっぱいで
でも「震災で流されてしまったお店にはもっとあったのよ」と。
こちらのお店にあるものは「また以前のお店のようなものにしたい」と震災後に集めたそうですが
それでもこんなに集まのものなの……と驚きました。
カフェタイムに何を求めるのか、それは人それぞれだと思いますが
こちらのお店はしばし日常を忘れるような不思議な空間で
かわいいものに囲まれていたい人にはおススメのお店だなと思いました。
お食事をいただきながら、今はもう取り壊されてしまった市営住宅でのお店の話や
その時にお世話になっていた人たち
それから再開発でこれから変わろうとしている駅前のことなどの話に花が咲きました。
残って再開発後もカフェを続けて欲しいと言われて
そのまま残るか、薄磯に帰るかとても迷ったそうですが
お世話になった薄磯の復興に協力したいと、戻ることを決断したそうです。
堤防ができてしまって残念ながら海は見えなくなってしまいました。
今の店舗は海岸線より少し離れたところにあります。
震災で被害を受けた豊間中学校は豊間小学校の隣に移転しました。
震災後、新しく整備された区画には新しい家ができていて、新しい公園もところどろこにあり
小学校や中学校が近いので子育て世帯が多く移住されてきたそうです。
海沿いの地区はどうしても震災の時の津波被害のイメージがあって
なかなか足が向かないという方もいらっしゃるそうですが
新しくなった町の様子をぜひご覧いただければ、と思います。
うすいそ公園で遊んだ後に寄り道するのもいいですよ。
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