2023年11月26日日曜日

おめめどうセミナー 

おめめどうのセミナーに参加してきました。


『自閉症の僕が飛び跳ねる理由』をちょっとだけ読んだとき
“言葉は流れていってしまう”という著者の話があって
だから音声言語ではなく視覚(絵や書き言葉)で分かるように支援しないといけないのか
とあの時、納得したのに、それをすっかり忘れていたことを思い出しました。

それからちょっとだけ職場で一緒になった超ベテラン先輩のことも。
(彼女には教えてもらいたいことがいっぱいあった)
ことあるごとにスケッチブックを取り出して、言葉や絵で子どもたちとやり取りしていて
「そういうやりとりがいいのか」と思いつつも、自分はなかなか実践できていなくて。
人は80%は音声から情報を入手しているそうです。
自分もずっと音声言語でやりとしてきたから何かあっても言葉の方が先にパッとでてきてしまう。
急に「書き言葉や絵でやりとりしましょう」って言われてもなかなか身につかない……
のは仕方がないのだけれど
でも子どもたちのために自分がちょっとずつ変わらないとなぁ、と思いました。

講師のハルヤンネさんは次男のダダさんが自閉症で、一緒に生活する中で
syunさんなど先輩たちの力も借りつつ試行錯誤し、失敗もしながら
自閉症の人はどうしたら生活しやすいのかを模索し
それが分かってきて、自閉症の人が生活しやすくする支援グッズの会社“おめめどう”を設立。
同じような悩みを持つ人に「こうすると生活しやすいですよ」と
日本各地で、またはオンラインで講演したり、メルマガを配信したりしているそうです。
それとともに支援グッズも販売しているので、講演会では支援グッズを購入できたり
講演会の会場では実際に使っている方の使用例も展示されているので
「こうやって支援しているのか」「このグッズはこんな使い方をするのか」がわかるので
それもすごく勉強になりました。
私もこの仕事に就いて分からないことばかりで、だからこういったセミナーはすごくありがたい!!

今回、市内での講演会は5回目。
会を主催した方はもともと精神保健係の保健師さんで、おめめどうのことを知り
仕事で相談を受けた方へおめめどうで勉強したことをアドバイスしていったら
どんどん変わっていった方が多かったそうで
それでおめめどうのセミナーを市内で開催するようになったとのこと。
講師の方も7時間かけて丹波篠山からいらっしゃって
主催者も講師の方も「今回が最後かもしれない」と全力でお話くださいました。

親として「エスパーにならない」とか「課題の分離」とか
子育て全般にいえる話もあり
私も今、絶賛子離れ中の母親なので(子どもの親離れは早いのにね)耳の痛い内容でもありました。

子どもたちへの言葉かけは「絵に描ける言葉」で。
うちの子どもたち風に言ったら「あー、もうそれな」という言葉がぴったりかな。
先日の『子どものミカタ』講座でも
「子どもは“ヤバイ”、大人は“よく考えなさい”で思考停止している」
という話がでたのを思い出しました。
まさに「よく考えなさい」は絵に描けない言葉。
私も『ミカタ講座』で
「よく考えなさい」って言われたってどうしたらいいか具体的に言ってもらわないと
子どもは分からないよな、って思いました。
しかも『おみみどう』として言い換え&書き換え例をネットにアップしてあるということで
早速、ダウンロードしました。ありがたいです。これから声掛けの時に意識しよう。

非常時の支援と工夫』についての記載もあって
私は“あれもこれも”はなかなかできないのだけれど
東日本大震災の被災県なので
こういった支援の方法について記載されているページがある、ということは忘れないでおきたい。
本当はもう必要がないことが一番いいのだけれど。

忘れったっていい、こうやって思い出して「あ、そうだった」って軌道修正して。
ちょっとずつやっていったら、少しずつできるようになるから。
また頑張ろう、と思えたセミナーでした。

おめめどうは「おめめ」→「目」 視覚支援
おみみどうは「みみ」→「耳」 音声での配信
ネーミングがかわいい。

講師の方の最後のお話で
ハルヤンネさんちのダダさんはハルヤンネさんの試行錯誤の子育てと支援グッズ(環境を整えた)で
現在は自己(意思)決定もでき、とても落ち着いた生活を送っている、とのこと。
「暮らしの支援」をすることでその人が落ち着き、結果、福祉の人件費がおさえられる。
これからどんどん人口は減っていくし
福祉に関わる人手も減っていくから本当に必要になってくる。
先々を見据えての視点に、目先のことで精一杯の私はすごいなーと思いました。

お誘いして一緒に講演を聴いた方からは
障害 健常 子供 大人 の垣根ない人間の尊厳のところを伝えていただいた気がしました。
支援している方への手立てや気持ちへの配慮、思いやりに欠けていたとも感じました。
という感想をいただきました。

それを聞いて私はハッとしました。
私はどうしても具体的な支援方法にばかり気持ちが持って行かれてしまいましたが
ハルヤンネさんの話の根底にあるのは『心を支える』ということだったな、と。
支援する方の『心』を大事にしているから、ダダさんが今、落ち着いて生活できているのではないか
私は今まで支援する人とコミュニケーションがうまく取れなくて最初から諦めていた。
でもそうじゃないんだなと気づかされました。

ハルヤンネさん、主催者の皆さん、貴重なセミナーをありがとうございました。

会場で回収されたアンケート

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