女優を描く時、倉本さんは必ず、その人の欠点を探るのだという。欠点を描くと、何故かその人物が生き生きと光ってくるから。そしてこの視点は、男を見る、ひとつの手掛かりとなりそうだ。
「長所は、個性にはならないんですよ。けれど欠点は、個性になる。更生させたいということでもないんだが、僕の場合はどうも、欠点の多い女性にひかれる。評判の悪い女のほうが魅力的に見えてくる。
評判のいい女なら、そこから新たに発見するのは悪いところになるでしょう?悪い女なら、つきあっていくうちに裏腹な面がわかってくる。人には見えない良さが見えてくる。愛情はそんなところに芽生えてくるものなんです。
情報化のせいで、今はずいぶんと好奇心が弱まっているでしょう。男も女も、見えているものだけで判断するのは、好奇心が弱まっているひとつの現象なのかも知れない。だから表面だけで先へは進んでいかない。
評判の悪い女にひかれるのは、好奇心なんですよ。僕には欠点だらけの相手のほうが愛においてはクリエイティブなんですね。」
0 件のコメント:
コメントを投稿