2022年10月13日木曜日

ミニシアターKuramotoの価値

Kuramotoで映画「谷川さん、詩をひとつ作ってください」を観てきました。

映画の最初から谷川さんの言葉に衝撃を受け
大学で“言葉”の勉強をしてきたけれど、言葉ってなんだろう?そんなことを考えながら観ました。
そしてラストで谷川さんの詩がでてきて、ほほえみの詩を思い出しました。

Kuramotoのオーナーは遠方にいるため、現在3名のボランティアスタッフが運営しています。
(オーナーは遠方にいるとはいえ、現地スタッフと密に連絡をとって運営しているそうで
距離を感じさせない運営になっていると思います)
昨日はスタッフFさんの担当でした。
どうしてFさんはボランティアなのにKuramotoの灯を守ろうとしているのか
私はずっと気になっていました。
もちろん映画が好き、ということもあるでしょうけれどそれ以外の理由もあるはず……。

Kuramotoからの帰り道、Fさんからメッセージが届きました。

~略
感想会など、新たな取り組みもする中で、少しずつ層の広がりもしていっているかなと思います。地域的にも、さまざまな課題と向き合っていくためにも、視野や発想が広がるような映画に触れる機会があり続ける、開かれ続けることが大事だと、個人的には思っています。想いの集まる小さな文化拠点が点在することで、そこで豊かになることが必ずあり、地域の耕しに繋がり、主体的に文化や社会と関わる人が増え、より愛着の持てる地域にもなっていくと思っています。


映画=娯楽というイメージがあって
Kuramotoで上映される映画はドキュメンタリー作品が多いので
私は面白そう、と思うものがあったりしますが
子育て世代の方に「観に来て」とはおススメしづらいかな、と思っていました。

でもさまざまな課題と向き合うため、発想や視野を広げるために映画を観る
と考えることもできるのかな、と思ったら
ちょっと私の中でも広報の仕方が変わるな、と思ったり。
Kuramoto=映画を観るところ だけではないんだな
もっといろんな価値や可能性を秘めている場所なんだな、そう思ったら見方が変わりました。

ちなみにKuramotoには映画だけでなく本や雑貨も販売しています。
映画のセレクトは奥さまが、本はご主人が担当しています。
映画にちなんだ本なども置いてあり
ちょっと街の本屋の店先に並んでいるものとはちょっと違うものがあって
本を目的に訪れるのもまたおもしろいかもしれません。

先月は「さとにきたらええやん」や「ゆめパのじかん」を上映したからなのか
学校について書かれた本が置いてあり
それも普通の公立の学校ではない
市民がつくった手作りの小学校(窓際のトットちゃんが通っていた学校のような)の話だったり。
私もその昔、そのような学校を探したことがあったので本を手に取ってみて
「あら、私の知らない学校がもっと他にもあったのね」と。
そしてこの本をセレクトしたご主人は私と同じような視点を持っているのかも、と
親近感を覚えました。

一方、Kuramotoで上映される作品は映画好きな奥さまが選んだもので
本と同様に、大きな映画館では上映されないような作品ばかり。
奥さまはアリオスのブログで「今日も映画と立寄り湯」というエッセイも書いているので
こちらを読むと映画が観たくなるかも。
映画に詳しくない私は毎月の上映作品のラインナップやあらすじを見て
「よくこんな映画を見つけてくるな~」と毎月感心しています。
私は提供されるものを受け取る一方ですが
選ぶ方は沢山ある中から「これだ」と思う作品を選ばなければいけないので
相当の目利きでないと難しいと思います。もちろんそれは本も同様ですね。

Kuramotoでは映画の上映がない日や時間帯は絵本読み放題スペースとしてオープンしており
そちらはまた別のスタッフが運営していて
絵本が好きな方やそのスタッフの人柄に惹かれた人たちが集う「場」になっています。

いずれにせよ、駅前に人の集まる「場」があるというのは大変ありがたいことで
人が集まって交流することでその土地を豊かに耕していく
これからの可能性をおおいに秘めている、大事な場所ということなのかな。



2 件のコメント:

  1. kuramotoのオーナー映画担当の方2022年10月14日 18:25

    映画鑑賞に通ってくださり、ありがとうございます。そして、我々のような小さい箱の存在のことを考えてくださり、文章にしてくださり、公開してくださり、心から感謝します。ありがとうございます、の言葉では足りないほどです

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    1. 駅前はこれから変わっていくと思うのですが
      でも大事なものはなくさないように、と思います。

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