驚いたことに遠くから見ると
地球はちっとも疲れているように見えない
まだ手遅れじゃないんじゃないか
今のうちに人類が滅びさえすれば
きっと地球は天命をまっとう出来る
もし本当に地球が大切なら
野牛やシロナガスクジラに譲ったほうがいい
セイタカアワダチソウを茂るにまかせ
砂漠を吹きすさぶ風にまかせ
レミングを崖から身投げするにまかせる
そうすれば地球は月のように冷たく美しく
ゆっくりと滅びていけるだろう
ぼくらは余計な世話を焼きすぎる
自分たちの住む星を愛するあまり
暖かい大気のねんねこで地球を甘やかす
人間がひとりもいない地球を夢見ること
むしろそれがすべての始まり
そこに死を見るのは思い上がりだ
木々の間にシマリスが跳ね回っているのに
大空に禿鷹が舞っているのに
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