2020年8月23日日曜日

ひさかたの雨も降らぬか

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「蓮は泥よりい出て泥に染まらず」という言葉があります。光たゆたう水面の上に、敬虔に咲く花の美しさは、他にはない唯一無二の神秘さですが、実は蓮は葉も主役。枕草子にも「蓮葉よろずの草よりもすぐれてめでたし」とありますから、古くから格式ある花であったのでしょう。 . このように古くから日本人に愛されてきた蓮ですが、万葉集で蓮が歌われているのはたった四首、こちらはそのうちの一首です。 . ひさかたの雨も降らぬか 蓮葉に 溜まれる水の 玉に似たる見む (久々に雨でも降らないものかしら、 何より蓮葉にきらめく玉滴が見たい) . そろそろ雨でも降らないかなぁとの歌に聞こえますが、実は、玉滴のように清らかでいる貴方に会いたい、という歌。このように私たちの祖先は、葉の上で転がる水玉を見て、何にもとらわれることない清らかな心の表れとも受け止めたようです。自然の中に深い感銘を残す日本人の感性には、何度触れても感動をおぼえます。 . さて東京も、ひさかたぶりに雨が降りました。にわかに和らいだ空気に秋の気配を感じながら、このあとの夕暮れ色に期待したり。こうして花を見つけたり、空を眺めたり月を見上げては、せめて、美しいものを美しいと思う心を大切にしていたいと、また思います。今日もいちりんあなたにどうぞ。 . ハス 花言葉「清らかな心」

素白/ Sakiko Suzuki(@sohaku.jp)がシェアした投稿 -

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