2015年11月23日月曜日

絵本のチカラ たっちコラムno.63

2015年11月号のこどもたっちのコラムです。

 先日、ある方と話をする機会があった。「今のお母さん達って、すごく孤独なんです」とおっしゃっていた。それは家族(両親やご主人)がいてもなかなか本当に悩んでいることや心配なことは話せないのだという。そうして一人で抱えてしまうママがとても多いのだと。でも私もそうかもしれないなと思った。自分の親の前でもいい娘でいたいし、いいママでいたいから本当のことは言い出せない。ふいにある絵本のことを思い出した。子うさぎが母うさぎに何度も問いかける「いいこってどんなこ?」という名の絵本。子うさぎが自分の姿に重なる。母うさぎは答える。「あなたはあなたのままでいい」。「花さき山」も好きだ。貧しい家の家族思いの姉が主人公。山で山姥に出会った主人公は、花さき山に咲いている花は誰かが誰かを思って咲かせた花だと教わる。そこに咲いている花はお前が欲しかったものを我慢して妹に譲ったときに咲いた花だ、と。長女だった私。幼かった頃のことを思い出し「ああ、わたしもきっといっぱい花さき山に花を咲かせてきたんだろう」とポロポロ涙をこぼしながら思う。時々は子どものためではなく、こんな風に自分のために絵本を読む時間があってもいいんじゃないかと思う。

こちらは大事な人を失ったときにおすすめしたい一冊。
なきすぎてはいけない

0 件のコメント:

コメントを投稿