2014年5月2日金曜日

たとえば体の中の

たとえば体の中の“免疫”の働きひとつとっても、人間の存在の不思議さを感じないではいられません。免疫というのは、我々の健康を維持するために体内に入ってきた異物を拒絶する反応なんです。ところが、胎児は母親にとって非自己という異物であるにもかかわらず、拒絶反応が起きない。そこには“寛容”という働きがあって、母体は胎児を拒絶しないことを、母親の体は知っているのです。

五木寛之

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