産院に行き、生まれたての赤ちゃんの顔を見せてもらった。
赤ちゃんのママの「とっても痛かったんです。」の言葉に
私も初めての出産の後を思いだした。
陣痛がこんなに痛いものだとは知らず
子どもが生まれ出る時はさらに痛くて
全身の生皮をはがされるかと思うくらいの痛みだった。
全身の生皮をはがされるような痛みを感じている瞬間
私は何故か山幸彦海幸彦の話を思いだした。
山幸彦は海の底で出会った豊玉姫と結婚し、豊玉姫は山幸彦の子どもを身ごもる。
出産を地上の世界ですると海上の出てきた姫は海辺の小屋で出産の時を迎える。
「私が出てくるまでは中をのぞかないでくださいね」と豊玉姫が言ったのにもかかわらず
山幸彦は中をのぞいてしまう。
するとそこに姫の姿はなく、ワニが一匹激しい痛みにのたうち回りながら子どもを出産していた
というもの。
その後、本当の姿を見られてしまった豊玉姫は子どもを残して海に帰ってしまう。
なんだか激しい痛みに苦しみながら子どもを産み落としたワニの豊玉姫も
きっと今の私のような姿だったんだろう
だから神話の中ではお姫様はワニの姿であると言っていたけれど
感じたことのないような最上級の痛みに耐えるこの姿は夫には見られたくない
だから豊玉姫は夫に「決して中をのぞかないように」と言ったのだろう
と何故か私も痛みに耐えながら、一方で豊玉姫の出産シーンを想像していた。
今思い出しても、ヘンなことを考えていたなぁと思う。
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