2019年7月12日金曜日

水曜日の一期一会 たっちコラムno.107

   2019年7月号のこどもたっちのコラムです。 

これはアートプロジェクトの一環で、熊本県の廃校になった海の上にある小学校の、水曜日だけ開局する架空の郵便局が舞台です。便せんに、自分の水曜日の物語や出来事を書いて投函すると、知らない誰かの水曜日の手紙が届くのです。この本には、知らない誰かの水曜日の物語が綴られています。現在はもう閉局していますが、約3年間の間に9000通の手紙のやりとりがありました。私も参加したかったな。赤崎水曜日郵便局の住所は「熊本県葦北郡津奈木町福浜165番地その先」。「その先」なんていろいろなことを想像させます。「津奈木町」は「つなぎまち」と読みます。人と人をつなぐ、このプロジェクトにはぴったりな町です。宛先も定まらないからなんて書いていいか迷う人、平凡な日常の中に幸せを見つけ、手紙を受け取る相手の幸せを祈る手紙、元気いっぱいな小学生の手紙、誰にも話せない怒りや悲しみを手紙いっぱいにしたためたものなど様々でした。性別、年代、住んでいるところも違う、手紙を通しての一期一会のドラマ。熊本の後に宮城県東松島でも架空の水曜日の郵便局が開局されていたそうで、残念ながら昨年12月に閉局しましたが「水曜日の手紙」という小説ができました。

赤崎水曜日郵便局があったのは旧赤崎小学校
ネットで検索したら本当に海の上にありました。
現在は耐震の問題で中に入れませんが、
その昔、教室から釣り糸が垂れていたこともあったとか。

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