2016年9月9日金曜日

「子どもに当たり散らす親」がいずれ陥る悲劇 「しつけ」という言葉ですべてを片付けるな ~東洋経済オンラインより

私も思い当たることがあるからシェア。

大人も弱いところを子どもに見せていい、というのは私も子どもが小さかった頃読んだにあって
それで救われたことがあったらから大いに賛成。

自分がどうしてイライラしているのかをちゃんと言葉で説明したら周りも納得するし誤解しないよなぁって
でもそれって実際にやるとするとちょっと大変だけど心がけたい。


「子どもに当たり散らす親」がいずれ陥る悲劇

「しつけ」という言葉ですべてを片付けるな



こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャ」の大野萌子です。
夏休みが終わり、小中高校生の新学期が始まりましたね。街中で見掛ける親子連れの姿もめっきり減りました。実はお子さんの夏休み期間中、「子どもと一緒に過ごすのが苦痛」「毎日がストレス」という方からのご相談も、多く寄せられるものの一つです。
長い時間一緒に過ごすことが面倒、どう接していいかわからない、自分の時間がなくなる……など、日常とは違う状況に対応できず、イライラを募らせるケースが目立ちます。

電車の中や商業施設で、子どもに当たり散らす親

「そんなこと言っても、自分の子どもでしょう。しっかり子育てしなさいよ!」というご意見はごもっともだとしても、親自身の悩みが相当深刻であることもあり、叱咤激励では済まされない場合があります。
子どもに当たり散らしている親、子どもに冷ややかな態度をとり続ける親、子どもにしつこく何度も理不尽なことを言い続ける親、スマホに集中してまったく子どもの存在を意識していない親。そんな光景を見掛けたことはないでしょうか。
たとえば、電車の中。まだ幼い子どもがひとりで座ると、少し体勢を変えただけで、隣の人の膝あたりに靴がぶつかってしまう。「ちゃんと座ってなさい」と親が注意する。ものの数分もしないうちに同じことが繰り返され、だんだん親の注意する語気が強くなり、子どもを睨み付けたり、場合によっては、叩く、強く引っ張るなんてことが起きます。
子どもにとっては、その位置に足が来てしまうので、微動だにしないでいる以外に手立てはありません。ただ、じっとしてるのも難しい。必要以上に動いていないにも関わらずそうなるのですから、どうしてよいかわからずに親の顔を見上げる、その拍子に今度は親の膝に靴が当たり、また叱られる……。
なんの苦行かなと思うくらい、気の毒ですね。最初から靴を脱がせるなり、親が自分の膝に抱いて足を抑えているなりすればいいわけですが、それはせずに、不毛なやり取りが繰り返されます。
子どもに社会ルールを教え、マナーを守らせることはもちろん大切です。しかしいちばん気になるのは、その注意の仕方。「表情も音調も冷たく、言い放つ」のと「優しく諭す」のとは正反対。見ているこちらまでヒヤっとすることもあります。
こういった気持ちも凍るような冷たい対応を、子どもはほかの友達や親に、いずれするようになります。よく「しつけ」としてやったという言葉を耳にしますが、しつけは社会規範、道徳などを教えることであって、冷静で客観的な視点が大切なわけです。ですから、親自身の怒りやイライラをぶつけることとは相反するのです。親がイライラしてしまっている時点で、すでにしつけは無理です。
機嫌がいいときにはおもちゃを出しっぱなしにしても怒らないのに、機嫌の悪いときだけ「いいかげん、片づけなさい!」と怒鳴るのは、しつけでも何でもありません。感情のままに当たり散らしているだけです。そのことを、自覚することが大切です。

親も子どもに弱いところを見せていい

親も、ひとりの人間、イヤなことも悲しいこともあります。ですから、その感情が子どもに向いてしまう前に、怒りやイライラがどこから来ているものなのかを、認識することが必要なのです。さっきもらったママ友からのメールの内容にカチンと来ているのかもしれないし、今朝の夫との喧嘩かもしれません。それは、子どもには、直接関係のないことです。
そのことを、まずは自分で自覚し、必要な場面で子どもに伝えてください。子どもは、「親の機嫌が悪いのは自分のせい」と受け止める場合が多く、つねに親の顔色を見るようになるのです。
子どもから話しかけられて、対応できる気分じゃない時もあるでしょう。そんな時「うるさい」「今、忙しい」などと応えるのではなく、「今、ママはこんな気持ちで話ができないけど、それはあなたのせいじゃない」ということを伝えてほしいのです。親も弱いところを見せていいわけです。
その時に、きちんと気持ちを言葉で表現するようにして下さい。そのためには、自分の気持ちを自分で把握する必要があります。これは、子育てだけではなく、ストレス全般をケアするために大切です。なんとなくイライラするというだけでは、解決に至るのが難しいからです。
周りの人に対し自己主張ができず我慢してしまう人ほど、自分より弱い立場の者へ攻撃的な態度を取りやすい傾向があります。主張しない(できないことも含め)「非主張的態度」というのですが、一見、謙虚で忍耐強くみえるこの態度は、実は攻撃的態度と表裏一体です。
自分の気持ちを伝えることを遠慮する、言いたいことを我慢する、言いたいのに言えないという気持ちは、必ずどこかで攻撃的な態度となって表れ、精神のバランスをとるようになっているのです。
職場で、非主張的な人が、家に帰って家族に攻撃的な対応をすることが多くなることが顕著な例で、家庭で非主張的な人が、スーパーの店員に横柄な態度をとったりする場合もあります。要するに、自分より弱い立場や言いやすい相手に対し攻撃的な態度が出やすくなります。

「子どもの自主性に任せる」の無責任

その格好の対象となってしまうのが、自分たちが擁護するべき子ども。だからこそ、意識して、なぜそんなに子どもに対しイライラするのかを考えてほしいのです。
テストの点数が悪かったことに対し腹が立つのは、関係性の悪いママ友の子どもよりも点数が低かったことが本当の原因かもしれません。そもそも、テストの点数が悪くて腹が立つこと自体に問題があります。「何でこんな間違いするの!?」「ちゃんと勉強しないからでしょ!」は、ただ、気持ちをぶつけているだけです。「どうしたら、できるようになるのか」「そのためにどんな勉強方法を取り入れたらいいのか」を具体的に考える建設的なやり取りができるといいですね。
この点については、「子どもの自主性に任せる」という便利な言葉はありますが、ある程度親が導く必要だってあります。知らないことに興味は持てず、知らないことについては質問することも不可能だからです。親だって、いきなり立派な親になれるわけではないので、子育てと同時に自分育てをしていく必要があるのです。
日々、生活していればさまざまなことがあり、マイナス感情をなくすことはできませんが、子どもへの負の連鎖を断ち切ることはできます。するとおのずから、子どもとのいい関係が構築され、好循環が生まれます。いい親子関係が、親自身の生きやすさにもつながりますように。

0 件のコメント:

コメントを投稿