2021年3月13日土曜日

10年後のビデオレター

震災後、被災3県の子どもたちにビデオカメラを渡し自由なテーマでビデオレターを撮ってもらおう

というプロジェクトがあり、我が家も参加しました。

あの頃、放射能汚染を気にして地元の野菜を食べることができなかった我が家に

義母と義兄が遠い産地の新鮮な食材や野菜を送ってくれていました。

他にも候補はありましたが、義母と義兄にお礼のビデオレターを撮ろうということになりました。

そのプロジェクト作品は今でもYouTubeで公開されています。


昨秋、その時にお世話になったディレクターより連絡があり

10年経ってあの時の子どもたちはどうしているか近況を尋ねるとともに

10年後の子どもたちの様子をまた撮りたいという連絡でした。

あの時、出来上がったビデオレターは100通。一人一人に連絡を取っている様子でした。

あの時、我が家の子どもたちは小学生でした。

地震や津波の影響はほとんどなかったものの、親子ともにいろいろな葛藤がありました。

他のお子さんは、親御さんはどうだったのでしょうか。

住む場所も年齢も、置かれた状況も様々な子どもたちのその後の歩みを

今回取り上げていただいたそうでどんな内容なのか楽しみにしていました。


我が家も真ん中ちゃんが天国の義母に向けてのビデオレターを撮りました。

真ん中ちゃんが主人や私、上の子ちゃんにインタビューする形でスマートフォンで動画を撮影し

年頃の下の子ちゃんはインタビューにはでませんでした。

とはいえすべて放送されるわけではなく、どこの部分が放送されるのか楽しみでした。



ちょうど1週間前、その番組がNHKで放送されました。

我が家はほんの短い時間ではありますがちょっこっとだけ出演させてもらいました。

震災の後、主人の実家に避難させてもらった時に義母たちが快く受け入れてくれたことから

今でも子どもたちを思う親の心が主人に受け継がれているということで

主人が我が家の防災部長として

離れて暮らす上の子ちゃんや真ん中ちゃんの家にも2週間分の水や食料を備蓄させている

と話している映像を使っていただきました。

その後、真ん中ちゃんが自宅にある防災備蓄食料を紹介しました。

またお正月にみんな揃って食事に出かけたときの様子を真ん中ちゃんが実は撮影していて

そのシーンが登場したときはびっくりしたし

食事の最後に真ん中ちゃんが「家族みんなで撮ろうよ」と言って撮った写真もでてきて

「ディレクターに家族写真を撮るように言われてたんだね……」と納得しました。

10年前の映像も登場してとても恥ずかしい思いもしましたが

岡山に住む義母の妹である叔母や、震災後に新鮮な野菜をたびたび送ってくれた主人のいとこにも

現在の我が家の様子を見せることができました。

真ん中ちゃんの七五三の時の、義母と義兄が一緒に写った写真も画面いっぱいに映し出されて

義兄や義父、岡山の親戚もとても喜んでくれました。

その夜、久しぶりに叔母の夢の中に義母がでてきたそうで、きっと義母も喜んでくれたかな。


10年経って、あの時の企画がこのような形で復活するとは思いもしませんでしたが

素敵な企画に参加することができてホントによかったと

主人の実家の家族も巻き込んでの、すごくいい思い出がまた一つ増えました。


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