2017年4月1日土曜日

アリオスペーパー編集部 presents もじもじ会議 第1回ゲスト 河野通和さん

2017/2/18 考える人のメルマガを書いている河野通和さんがゲストと聞いて
すっごく楽しみにしていました。

当日のお話はアリオスのFacebookページにアップされています。
それから河野通和さんのメルマガにも。

河野さんは岡山出身だということから始まって就職しての下積み時代の話。
いつも聞いているラジオ番組のインタビューみたいでとっても楽しかったです。
人は現在だけでは存在しないし
ここに至るまでどんなことがあったのかそれがその人をつくってきたと思うから
その人の生き様というか、たどってきた道を知ることができてよかった。


河野さんは大学を卒業して中央公論新社に入社し、本当は違う雑誌の担当をしたかったけれど
婦人公論の担当になった新人時代。
婦人公論には有名人のインタビュー記事もあるけれど
一般の女性達からの様々な声(手記)が掲載されている。
河野さんは、一般の人の心の中にある文学をいかに引き出すか、を考えていた。

女性達から編集部に送られてくる手記は原稿用紙だけではない
カレンダーやチラシの裏紙に書かれていて
それをどういう状況で書いてきたのだろうか想像しながら読んでいた、という。

女性達の手記からは普遍的に存在する問題と、それをどうやって乗り越えていったのか
それが書かれていた。
だからこそ多くの女性の共感を得られたのではないか、と河野さんはおっしゃっていたけれど
義母も自分の苦労話をしながらよく「事実は小説よりも奇なり、というけど本当よ」
って話していたっけ。

そして大学を出たばかりの若い河野さんは
婦人公論に掲載する手記を書いて欲しいと呼びかける文章を書くことになって
どうしたら手記を書きたい気持ちになるか?
心の中にある悩みやその人にしか書けない文章をどうやったら引き出せるか、と考えた。
そして一人の人の言葉は、過去・現在・未来。それが凝縮されたものなんだと。



河野さんが「婦人公論」のリニューアルを断行した人だということはこの日、初めて知りました。
「婦人公論」がリニューアルされたのは私が結婚した頃でした。
「婦人公論」というと、ちょっと難しくて頭のよい女の人が読む本、というイメージがありました。

私が初めて婦人公論を読んだのは主人の実家に遊びに行った時。
義母から「婦人公論、読む?」と聞かれ「はい」と返事したものの
内心、あの難しそうな本ねぇ、と思っていると義母が持ってきたのは「あれ?」
イメージしていた本とは全然違って、「婦人公論」ってこんな本だったけ?
今風の雑誌で、イメージしていた本とは全然違っていました。
そのリニューアルを断行したのが河野さんだったとは……。

義母は「婦人公論は(義母の)母親の代から読んでいたのよ」と
私が主人の実家に遊びに行くと買ったばかりで自分は読んでいないのを貸してくれたり
「もう読んじゃったから持って帰っていいわよ」といって持たせてくれたり。
思い描いていたような嫁姑の関係をついに築くことができなかった義母は
自分はお嫁さんとは仲良くしたい、と強く思っており
また自分の母親もお嫁さんをとても大事にしていたのを間近で見ていたし
職場でのおばさん達との愚痴のやりとりや婦人公論に掲載されている話などから
自分はどういう姑でありたいか、常に考えていたのだと思います。

結婚して新居に引っ越してまだ2日~3日しかたっていない頃、義母に買い物に誘われて
買い物が終わって食事しようと行ったデパートのレストラン街。
「ここのオムライスは美味しいのよ」と資生堂パーラーへ。
席に着くと義母は家のことをあれやこれや堰を切ったように話し出して
時にはポロポロと涙をこぼしながら
今までお嫁さんにずっと聞いて欲しかったんだろうなぁと。
結婚してまだ数日しか経っていない私に、こんなことまで話してくれるなんて
これから嫁姑の関係をつくっていくんだろうなぁとドキドキしていた私はビックリした半面
すごく嬉しかったことを思い出しました。

お義母さんがいたら「婦人公論をリニューアルした時の編集長に会ってお話を聞いてきましたよ」
ってきっと電話で話をしたと思います。


後半は新潮社の雑誌「考える人」のお話でした。

私が中でも興味深く聞いたのは“切り口”をどう見つけるか?ということ。
学級崩壊が多かった時に組んだ特集は「私の好きな先生」。
就職活動の学生に向けて「日本の働く」という特集。
私だったらそのままストレートに特集にしちゃいそうだけど……。

それと web媒体 と 紙媒体 について河野さんの考えを聞くことができました。
最近増えつつあるweb媒体。活用することが必須になってきたけれど
あくまでも道具であって使っても使われないように。
それからデジタルアーカイブの不安定さ。
紙は場所をとったり劣化するけれどやっぱり紙の方が安定している。
考える力や読み解く力はデジタルでは(流れていってしまうから)定着しないのではないか。

その話を聞いて私は手紙を書こうと思いました。メールもいいけど自筆の手紙も。
あるエッセイを思い出しました。


確か私の母とおっつかっつの年ではなかったか、と思う。一昨年、亡くなられた。その報を聞いた時、三十数年前の手紙を取り出して、読み返した。手紙のありがたさは、筆跡と文章に故人が生きていることであった。読めば、いつでも故人の声が聞けることであった。 
出久根達郎さんのエッセイ「母の手紙」



最後に河野さんは言葉とつきあうおもしろさ、言葉の魅力、言葉の力、文字文化のおもしろさ
先輩から引き継いだものを後世に伝えていきたい、とおっしゃっていました。

残念ながら「考える人」は2017年4/4を最後に休刊、
河野さんも新潮社を退社することになりました。
毎週木曜日に配信されるメルマガ、毎回楽しみにしていたから残念です。


もじもじ会議に参加して思い出したこと。
「文字」のこと、文字を知る喜びそして言葉のこと
久しぶりにいろんな思いがよみがえった楽しいもじもじ会議でした。

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