水のような人になりなさい、といわれたことがある。
水は四角い入れ物に入れれば四角くなるし、丸い入れ物に入れれば丸くなる。
寒いところにいけば凍るし、温めれば蒸発して天に昇る。
高いところに持って行けば低いところに流れる。
水はとにかく素直だ。
そして火は水によって燃える。
女性が男性をたてることで男性も力を発揮する、ということなんだと思う。
私はまだまだ素直でもないし、自己主張も強いけれど
水のようにおだやかで、静かに、でもどこか力強い、一家の長を献身的に支えるいい奥さんになりたい。
最上の善とは、水のようなものさ。
水はあらゆるものに利益を与え、争わない。
水は人の嫌う地味な場所でもいつも満足しておる。
このように、水は道(タオ)に近いものじゃ。
水は住むために、地味な場所を好む。
水はものごとを考えるとき、奥深さを好む。
友との交わりには、心のやさしさを好む。
言葉には、誠実さをこめることを好む。
政には、良き秩序を好む。
仕事においては、その人の能力を生かすことを好む。
行動においては、正しい時機を好む。
このように、水は争わないから、まちがいはないのじゃ。
張 鍾元 著 上野 浩道 訳 (1987)
『老子の思想』 講談社学術文庫
第8章 「水のようなもの」 より
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