といったら大げさだけれど。
久しぶりに「おもしろい」とのめり込める本に出会うことができて幸せを感じた。
なかなか最近、スマホばかりで本を読む機会が減っていることもあるのだけれど。
きっかけは
これを読んで興味を持ったのが始まり。
筆者の体験を本を読むことで追体験して、私もなんだか一緒に海外に行っているような気がしてきて
もちろん私の持っている知識や想像力を総動員して
もしかしたら現実世界と私が思い浮かべている世界は違うかもしれないのだけれど
本の中に登場する世界にのめり込むことができた。
首長族の話では消えゆく文化と受け継がれていく文化について考えさせられた。
南米の秘境の地では養子ビジネスや外国人による人さらいの話。
ストリートチルドレン達の出産。
育児について無知な故に赤ん坊がひどい状態で、想像するのも拒まれるほどの描写もあった。
母乳よりもミルク神話が浸透している地域(それにはHIVも関係しているのだけれど)
代理母やHIV孤児(私もHIV孤児を抱きしめたくなった)のこと、内戦や紛争地での出産。
医療の整った日本での出産しか知らない、そして子どもを授かることができた私には
きっと私の想像を超える、当事者でしか分からない大変な苦労がもっとあるのだろう……。
多少はニュースやネットで世界で起こっていることを知っているつもりではいたけれど
私の知らない世界がこんなにいっぱいあったなんて、とかなりショックだった。
私のまわりに広がる世界と本の中の世界は全く違ってかけ離れていた。
特に内戦地での話にはやるせない気持ちにさせられた。
それでもホッとさせられたのはラストで紹介された2つの家族。
1つは
アルビノの奥さんの話、そして兵士に乱暴された主婦の
話。
望まない妊娠、生まれたら里子に出すと決めていたけれどやっぱり我が子はかわいい。
村人達から村八分になろうと、子どもを手放せば生活は楽になると分かっていても子どもを守り通し
子どもはそんな母を見て優しく育ち、やがてが村人達も二人を受け入れる。
母は強し、女性は強し。
筆者のあとがきにあったように
どんなに大変で過酷でつらくても子どもは未来であり、命の可能性は全て等しく無限。
その言葉で私の心も少し軽くなった。