絵本美術館は前園長の巻レイ先生の長年の夢でもありました。レイ先生は本が大好きな女の子でした。生家は大きな農家でしたが本には不自由し、本のある家に行っては夢中になって読んでいたそうです。だから大人になったら本を好きなだけ買おう、子どもにもたくさん買おうと。絵本美術館にある絵本はレイ先生が集めたものです。
幼稚園では入園すると絵本のカルテをつくります。入園してから読み聞かせしてもらった絵本や毎週2冊借りて読んだ絵本。卒園時にそのカルテはプレゼントされるのです。3年間で読んだ絵本は600冊にもなるのだとか。
幼稚園には絵本の部屋はありますが、まわりの音や様子が気になって絵本の世界に集中することができない。そこで子どもたちが絵本の世界に入りこめるように絵本美術館をつくりたいと思ったのだそうです。
レイ先生の絵本美術館のイメージにあう場所をさがすのに10年費やしたそうです。ようやく見つけた山と海と砂浜といわきのいいところが全部つまった場所。
そして大好きな安藤忠雄先生に手紙を書き、速達で送ったそうです。「ぜひ絵本美術館の設計をお願いしたい」と。豊間に来られた安藤先生は素晴らしい景色を見て了承し、一週間で話が決まったそうです。
レイ先生が安藤先生にお願いしたのは「絵本の背表紙ではなく表紙を展示したい」ということ。わずか50坪の土地に絵本美術館が建つのだろうか?関係者の不安をよそにレイ先生のイメージ通りの絵本美術館ができました。海に面した場所に傾斜面をくりぬいて建物をはめこみ、上に空間をとることで開放的なつくりになっています。コンクリートの打ちっ放しの一見無機質に見える建物は絵本の表紙の美しさを一層際立たせ、豊間の美しい自然と絵本がとけあった素晴らしい建物になっています。
月に1~2回、一般の方も見学ができる開放日のほか、もっと沢山の方に絵本美術館へ足を運んでいただきたいと未就園児向け絵本の読み聞かせ会も始まりました。興味のある方はぜひありす幼稚園(0246-28-8002)へお問い合わせください。
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