2015年3月1日日曜日

“都会には自然が少ない”と言う人がいます

“都会には自然が少ない”と言う人がいます。もし本当にそう思っているのなら、その人は自分の感性の鈍さを感じるべきです。
 新緑のころ、プラタナスの樹がどれほど美しいものか。小さくても親と同じ形の葉が、いたるところでけなげに芽吹いている。
 下町の片隅、ミカン箱で花を育てたり、地域の行事や風習を大切に穏やかに周囲との折り合いをつけて暮らしている人。季節折々の旬の食べ物をおいしくいただける人。教養のある人というのは、このように日々の暮らしを慈しみながら生活している人のことを指すんです。学歴があるとか、マナーが完璧であるとか、そういうことは問題じゃない。
 よく“野の花”という言い方をしますが、そんな名前のない花なんて存在しない。たとえフラワーアレンジメントができたとしても、身の回りの草や木や、花の名前も知らないようでは“日本の女性”とは呼べませんね。

川上 信定

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