2017年8月15日火曜日

命のリレー みんゆう随想4

 もう7年も前になりますが、“自分たちのご先祖様に会いに行こうツアー”を企画しました。まずはゴールデンウィークに主人の両親の実家のある岡山へお墓参りに行きました。遠くてなかなか遊びに行くことも出来ず、子ども達は曾祖母に会うのは初めて。祖母はひ孫との初対面をとても喜んで終始にこにこしていました。その晩は義父の実家に泊まり、翌朝、近所にあるお墓へ行って掃除をし、ご先祖様にご挨拶をしてきました。そしてその足で今度は広島へ。義母の両親は他界し、原爆ドームの近くにあるお寺の境内に眠っています。こちらでも花を手向け、ご先祖様にご挨拶しました。
 主人は子ども達に言います。主人の家のご先祖様と私の家のご先祖様、誰か一人でもいなかったならばお父さんもお母さんもみんなもこの世に生まれることはできなかったんだよ、と。だから「ご先祖様、命をありがとうございます」とお墓の前で手を合わせました。私達の命はいろんな人達からリレーされて今ここに自分達がいるんだ、と子ども達に分かって欲しかったのです。
 岡山・広島旅行から戻って2週間後、小学校の運動会の振替休日を利用し、次は山形に行きました。私の母方の祖父母はいわき市出身ですが、父方の祖父母は山形県で生まれ育ちました。祖父の実家のお墓がある天童、祖父母に縁のある月山(がっさん)や鶴岡にも足を延ばしました。
 旅行から帰ってきて、主人が母方の祖父のことを思い出しました。主人の母方の祖父は生前、自分の家の家系図を作成していたそうです。原爆で全ての資料が灰になってしまったので、自分の記憶が確かなうちに再記しようと思ったのだとか。
義母にお願いして家系図を取り寄せました。遠いご先祖様から始まり丁寧に命の系譜をたどって、義母の兄妹やその配偶者、子ども達の名前が記されていました。今ならそこに私や子ども達の名前を書き加えることができます。これからも家系図には名前が書き足されていくことでしょう。命のリレーがこれからも続いていきますように。

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