「まどのむこうのそのまたむこう」と名付けられた豊間の海を見下ろす場所に建つ絵本だけの美術館。そこはいわき幼稚園と白ばら幼稚園、ありす幼稚園の附属施設です。
この3つの幼稚園では園児一人ひとりに絵本のカルテが作成されます。入園してから読み聞かせした本、週に2冊借りた本、園で読んだ本。卒園するときにカルテを渡しますが3年で600冊にもなります。カルテを見るとその子の趣味や嗜好が分かるといいます。
前園長巻レイ先生は30年間、絵本教育に力を注いできましたが幼稚園の絵本の部屋ではどうしても集中できない。どっぷり絵本の世界に入ることができる絵本美術館をつくりたい、と10年かけて自分のイメージにあう土地を探しました。山も海も砂浜も、いわきのいいところが全部集まった場所を見つけ、大好きな安藤忠雄先生に設計をお願いしました。
巻先生は勘のよい人だったのでしょう。海に近い場所では「非常に備えて」とあくまでも高台にこだわったおかげであの震災でも絵本美術館はガラス1枚割れることなく、津波の被害からも逃れました。その絵本美術館の姿を見て勇気づけられる地元の人もいるのだとか。震災後、津波の被害を受けて豊間や江名の町はさみしくなってしまいました。絵本美術館は幼稚園の附属施設なので一般の方に開放できる時間は限られているのですが、今後は地元の方にも見学していただける機会を増やしたいと思っています。海の前にある絵本美術館はここだけです。毎月1~2回見学の日を設けていますがクリスマスの時は少し回数を増やしています。毎年テーマを決め、ツリーを変えていますのでぜひ往復はがきで見学をお申し込み下さい。(お申し込み方法など詳しくはアリオスペーパーvol.52をご覧ください)
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