アリオスペーパーで“絵本美術館”を取り上げるにあたり、園長先生にお話を聞いて記事を書くことになりました。その園長先生のインタビューの前に、資料として前園長先生(故人)が書いたエッセイと前園長先生のお別れ会の様子を記した園だよりをいただきました。
「飛ぶ教室」2007年冬号に掲載された“おとなの想像力”というタイトルのエッセイ。前園長先生は大きな農家の出身で9人姉妹の末っ子であることがわかりました。(そして幼稚園を創設する前はご主人と二人で学校の先生をされていたこともアリオスのスタッフから聞きました)
その話を聞いてとても親近感を覚えました。私の母も農家の出身でした。本当は祖父は母をその頃花形の職業だった銀行員にしたかったそうですが、母は夢だった小学校の先生になりました。地元から離れた場所で教鞭を執っていましたが帰省していたときに父と出会い、退職して父と一緒になりました。
エッセイを読みながら、私が幼かった頃、家には絵本が沢山あったことを思い出しました。ベストセラーといわれる絵本を見ると「あ、この絵本、うちにあった」と思うものばかりです。母もいいものを揃えたい、と思って買ってくれたのかなぁと今なら思います。ちなみに一つ年上の兄は図鑑の方が好きでした。私も9人兄妹の長女です。母は幼い妹たちの世話や、寝たきりの祖母のお世話で忙しかったのだろうと思います。母に読んでもらった、というよりは自分で絵本の絵を見て楽しんでいた記憶があります。
そういう環境があったからかどうかわかりませんが、本を読むのは好きでした。私も大学を卒業して中学校で国語を教えることになったとき、母はポツリと「お父さんも本当は国語の先生になりたかったのよ」と言いました。父は中学生の時に父親を亡くしました。大学生の時には母親が病に倒れたので家業を継ぐために大学をやめて地元に戻ってきたのだと聞いていました。しかし父は将来、何になりたかったのかを聞いたことはありませんでした。父は何も言わなかったけれど、私が国語の先生になることを父は喜んでいるのかもしれないな、と思って嬉しくなりました。でも私も母と同じように結婚のために1年で退職してしまうのですが。
そして前園長先生の書かれたエッセイがあまりにもステキだったので、私にインタビュー記事が書けるだろうか、と不安になりました。 でも、思い切って現園長の巻 美佳砂先生に電話をしてみました。お話を伺うと、私も何度か絵本美術館に足を運んだけれども知らなかったことや新しい発見、驚きがいっぱいで、巻先生と話していてとっても楽しかったのです。ぜひ多くの方に絵本美術館のことを知っていただきたいと思い、アリオスペーパーの記事も一生懸命書きました。
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