2013年1月号のたっちコラムです。
久しぶりに自分が働く店のケーキを買って帰りました。夕食後に1人1種類ずつ好きなものを選ぼうとしたら「どれでもいいよ」とみんな遠慮してどれがいいか決まりません。そこで思い出したのは、あるワークショップスタッフとご飯を食べたときのこと。最後に残ったポークとエビのシュウマイが人数分残っていたのに、みんな遠慮して手が出ませんでした。そのとき 「せーの、でみんな自分の食べたい方を指さして」とみんなで指さしたら、ちゃんとぴったり数があってみんな食べたいものを食べてお皿が空っぽになったのです。それを思い出して「じゃ、せーのって食べたいの指さしてみよう」とやってみたら、あら不思議。ちゃんとそれぞれ1種類ずつ指をさしていました。その翌日には、前日売り切れて買えなかったプリンとクリームホーンを買って帰りました。私が働くパン屋さん。洒落たパンやケーキはありません。でも、昔からずっと同じ味を守り続けています。プリンもケーキも私が小さいころからこの味。「娘が帰省するとここのケーキを食べたいって言うのよ」と娘さんの帰りをケーキと一緒に待つ、とお母さんが買いに来たり、帰省した若者がふらっとお店に寄ってショーケースをのぞいて「懐かしい!」と好きなものを買って帰っていったり。子ども達にとっても、故郷のケーキと言ったらここのケーキを思い出すんだろうな。
0 件のコメント:
コメントを投稿