2017年9月21日木曜日

木を植える音楽 みんゆう随想5

 いわき市植田町にあるカフェキートス(キートスはフィンランド語で『ありがとう』)で販売しているCD木を植える音楽”。1曲目に収録されている“プロローグ”に冬の新舞子海岸で録音された、寄せては返す波の音が入っています。
 静かな海岸に響き渡る波の音。その音を聴いていたら私がまだ小学生だった頃、子供会の行事で家族みんなで海に行ったときのことを思い出しました。  
 小さかった頃の私は海に連れて行ってもらうのが大好きでした。松林が見えると潮風の匂いがして「海までもうすぐだ」と思い心が躍りました。でも子供会でみんなで海に行った日は、海を見ると大泣きする幼い妹は母と一緒にずっと海の家で待っていました。
 懐かしくて大事にしまっておきたい、幼い頃の宝物のような記憶が一瞬でよみがえりました。
 
 このCDは宇都宮でカフェを営むオーナーが発起人となって製作ました。震災で変わり果てた東北の光景を目にして衝撃を受け、時間をつくってはがれき撤去のボランティアで各地を訪れたそうです。 
 その際にいわきの海岸林の被害を知ったとのこと。美しい景観と震災時に住民を守ったともいわれる海岸林を取り戻すために「自分ができることは何だろう」と悩んだ結果、仲間達とともにCDを製作してその売上をクロマツの植林・育成に充てることにしたそうで
す。
 このCD1枚につき、10本のクロマツの苗木が震災で被害を受けた新舞子の海岸に植えられるのだとか。2014年のCD発売からこれまで5000本以上の苗木が植えられたそうです。 
 CDに参加しているのは主に栃木県内で活動しているミュージシャンですが、時間を見つけては新舞子海岸で植林をしています。その植林活動の帰りに立ち寄ったのが植田町のカフェキートスでした。 
 それが縁でキートスで“木を植える音楽”のCDを販売したり、メンバーのライブを店内で行うようになり、私もその活動を知ることができました。
 彼らの歩みや参加ミュージシャンの思い、CD制作のエピソードなどで構成した書籍“木を植える音楽”が9/23に発売されます。興味のある方はCD、書籍ともに2tree open house
まで。

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