◎母の日です。
「母の友」読者のお母さん、いつもご愛読ありがとうござ
▼いいかげんな母親って、だめかな。ほどよい母親だったら、どうだろう。「いいかげん」って、「良い加減」ってことなんだけれど。
▼イギリスの有名な児童精神分析家のウィニコットが、「グッドイナフマザー」ということを言っている。お母さんは、ほどほどによければいい、というか、ほどほどによいくらいがちょうどいいということである。よすぎてはだめなのだ。(略)
▼母親に対する要求水準は世の中において高い。「お母さんなんだからできるでしょ」といって押しつけられる仕事量の多さはハンパではない。子どもがぐずっても、すぐに泣きやませられるのが当たり前。手作りのかわいいお弁当が作れて当たり前。いつもニコニコ、子どもが少々いたずらをしても、穏やかに対応できて当たり前。そんな理想のお母さん像にふりまわされ、世のお母さんたちの多くが「私は母親失格じゃないか」と思ってしまいがちだ。(略)
▼もっともっと、お母さんが抱える仕事量の多さへの認識と、ほどよい母親、いいかげんな母親のよさ、というものが世の中に伝わっていくといいと思う。
▼ただ、「ほどよい」ということを完璧にしようとしてしまって、よけいに苦しくならないでほしい。どのくらいがほどよいのかを見極めるのは、難しいもの。お料理をしたことのない人が初めて料理を習うとき、塩少々の「少々」とか、油適量の「適量」というあいまいな指示に一番とまどうという。
▼子育てだって、みんな初心者。試行錯誤の中で、母はグッドイナフマザーになり、子どもはグッドイナフチャイルドになっていけばいいのです。ほどよい子ども、いいかげんな子どもを、みんなで育てましょう。
◎「母の友」2016年6月号(32~33ページ)「グッドイナフマザー」宮地尚子より
本日がたとえ「パーフェクトな一日!」とならずとも、
「グッドイナフな一日」でありますように!
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