著者が若かりし頃、知的障害のあるお子さんを預かる施設で働いていた時のこと。
何かとんでもない失敗をして落ち込んでいた著者が施設を退勤しようとしたとき
利用児が二人やってきて、著者のコートのボタンを一生懸命はめようとしたという話。
手先も器用でない彼女たちがまごまごしながらコートのボタンをはめようとしている。
自分でやった方が早いと思ったけれども、あえて彼女たちの気持ちを尊重してやってもらった。
さて帰ろう、と思って門のところまで行き、ふと彼女たちのことを見ると
二人は著者のことを心配そうな顔で見送っていた、という話。
その日、とてつもなく落ちこんでいた表情をしていた著者を見て
二人は「明日はもしかしたら先生は来ないんじゃないか」と不安になって
彼女たちなりに著者を励ましたくて「明日もまた来てください」という気持ちで
コートのボタンをはめてくれたのではないだろうか。
玄関まで一緒についてきて見送ってくれたのは
著者のことをとても心配していたからではなかろうか、というエピソードでした。
知的障害があっても心の部分ではちゃんと感じ取っているんだなぁ。
もしかしたら他の人よりも感覚が研ぎ澄まされていて
普通の人が沢山の情報がありすぎて見逃していることを敏感に感じ取っているのかもしれないなぁ
と思いました。
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