気づかない

世間話をしていて、ふっと吉野弘さんの「虹の足」を思い出した。

――おーい、君の家が虹の中にあるぞォ

多分、あれはバスの中の僕らには見えて
村の人々には見えないのだ。
そんなこともあるのだろう
他人には見えて
自分には見えない幸福の中で
格別驚きもせず
幸福に生きていることが――。

幸せの中にいても、案外気づいていないんだよね。