2018年8月4日土曜日

夏休みの思い出 みんゆう随想14

学校が夏休みに入りました。夏休みの思い出といえば「青春18きっぷの旅」。私は島根県松江市にある私立高校に通っていました。どうしてそんな遠いところにある学校に進学したのかというと、中学生の頃に読んでいた小説に影響されたからです。小説の主人公は日本全国に友人がいるという設定でした。いろんなところに友達がいるなんていいなあと思っていた私は、日本各地の人と文通していました。
その頃、父の友人の息子さんが通っている高校は日本全国から生徒が集まってくる学校で、それまでは男子校でしたが方針が変わり共学になると父から聞きました。親元を離れての寮生活に不安はありましたが、日本全国から生徒が集まってくるなんておもしろい、と私は進学を決めました。
 高校が夏休みになり、松江からいわきに帰るとき「せっかく帰るなら寄り道をして帰ろう」と文通相手に連絡をとって途中下車をして会う約束をしたり、同級生の家に泊めてもらって京都観光をしたり。ちょっと足を伸ばして広島の原爆ドームや安芸の宮島に行ったこともありました。
 もちろんお金をかけない旅です。青春18きっぷ(日本全国のJR線の普通列車に乗車でき、自由に途中下車できる。5枚入っていて1枚一日限り有効)を使って松江からいわきまでの各駅停車の旅です。いわきを通り越して八戸の同級生の家に行ったり(同じ東北なのに南部弁が全く分からなかったことには驚いた)好きだった小説家にインタビューに行ったりもしました。
 旅の計画は分厚いJR時刻を見ながら考えました。今はもっぱら「乗り換え案内」などのアプリで検索しますが、当時は時刻表が頼りでした。父が出張をするときに時刻表を見ながら電車の乗り換えや発車時刻を調べる姿を小さい頃から見ていたせいか、時刻表を見ながらすんなりと計画を立てることができました。
路線図を見ていると、どことどこの線路がつながっているとか、よく耳にする地名や観光地の場所が把握できて、頭の中でプチ旅行をしているようで楽しかったのを覚えています。
 「青春18きっぷの旅」を終えて思ったことは「様々な風景を見て、たくさんの人に会い、いろんなことを考える」ことが自分自身を豊かにするのではないか、ということでした。

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