2018年6月30日土曜日

絵本のすすめ みんゆう随想13

 子どもが小さかった頃、なかよくしていた先輩ママさんがお子さんの通っている小学校で図書ボランティアをしていました。朝の時間に小学校に行き、担当する教室で子どもたちに絵本の読み聞かせをするのです。話を聞いて「私もやってみたいな」と思い、長女が入学した小学校で図書ボランティアに参加しました。
 絵本雑誌なども参考にしながらどんな本を読んだら子どもたちは喜んでくれるだろう?と子ども達の顔を想像しながら絵本を選びます。高学年への読み聞かせなどなかなか読む絵本が決まらないときは読み聞かせの楽しさを教えてくれた先輩ママさんにおすすめの絵本を何冊か紹介してもらいました。
 その中の一冊「たいせつなきみ」は、毎年6年生が卒業する前に読んでいる絵本です。主人公は木彫りの人形です。他人と比較し、自分はダメだと思い込んでいるので何をしても失敗ばかり。ある日、自分を作ってくれた彫刻家と話をするうちに自分にレッテルを貼っていたのは実は自分自身だと気づくお話です。 
 初めてこの絵本を読んだとき、主人公に自分を重ねてあわせて涙が止まりませんでした。これから思春期を迎える子どもたちへ「これからいろんなことがあると思うが、心が折れそうになった時“そういえばあんな絵本を読んでもらったな”と思い出してもらえたらいいとこの絵本を選んでいる」と話し、卒業前に読み聞かせしています。
 もう一冊おすすめしたいのは七夕の頃に読む「おこだでませんように」。主人公は小学1年生の男の子。まっすぐで一生懸命ですがいつも空回りしてばかりで周囲の大人に怒られています。覚えたてのひらがなで書いた七夕のお願いは「おこだでませんように」。それを見た担任の先生は主人公の胸のうちをさとり、先生から連絡をうけた母親はその夜涙をこぼして「怒ってばっかりでごめんね。」と主人公を抱きしめます。先生と母親の態度の急変に驚きながらも主人公は短冊に書いた願いがかなったと喜びます。
 主人公の気持ちが痛いほど伝わってきたのに加えて自分も子どもたちに主人公のような思いをさせていないだろうか、と私も涙がこぼれました。
 絵本は心のサプリメント。読んでみませんか?

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