2015年2月28日土曜日

本 美の猟犬

私はラジオを聞くのが好きで
仕事で車を運転するときもラジオのスイッチをオンにしている。

ある時、大阪市立東洋陶磁美術館長をしている伊藤郁太郎さんがゲストでおしゃべりをしていた。
伊藤さんはある会社の社長の側近として長年働いてきたようなのだけれど
その社長があまりにも豪快でユニークな人なのでもっとその社長のことを知りたいと思った。
そして検索して出てきた本がこれ。
 
美の猟犬

美術品(特に陶磁器)のコレクターであった社長の命令で
伊藤さんは世界各地を飛び回って美術品を購入する。
私は陶磁器は残念ながら興味はないので全く知らない世界の話だったけれど
同時に語られる社長の人柄がとっても面白くてあっという間に読んでしまった。

ラジオを聞いていると、時にはこんな予想もしない出合いがあるから
ラジオって面白いなと思う。



2015年2月27日金曜日

人は同じ川に二度と入れない

私はよくいろんなことを考えます。
それは心の中にポツンと石が放り込まれるような、そんなかんじ。

どんなに小さな石でも必ず波紋が起きて、
今まで静かだった水面が揺れ動いて

そして石はすーっと心の底に落ちていくのだけれど、
落ちていく間もずっといろんなことを考えさせられて

心の底に石が落ち着いた後はまたもとの静寂に戻るけれど
何かふとしたことがあるとその石がふっと動いて
またいろんなことを考えたりさせられるんだと。

そして石が降り積もって私という人になる。

その様子はまさにこれかな、と思います。
http://marutama-mama.blogspot.jp/2015/02/blog-post_19.html


知る前と知った後では、私は私なんだけれど知る前の私ではない
だって、知った後では私はいろいろなことを考えるから
さっきの私とは違う私だから。


2015年2月26日木曜日

情けは人のためならず たっちコラムno.54

2015年2月号のこどもたっちのコラムです。

 義母は昨年から体調を崩していました。そのことを知った義母の友人達がお見舞いに訪れ、幼稚園から一緒だった方や社宅に住んでいた時からの40年以上のお付き合いの方、職場の方、いろんな方々の心のこもったお見舞いに、義母がどんな人生を歩んできたのかをうかがい知ることができました。震災の時は義母を頼って埼玉の主人の実家に身を寄せました。義母は私達家族の他に私の両親や兄妹、妹家族17名を喜んで受け入れてくれました。そしてそのことを聞いた義母の友人達もまた「山田さんの息子さん達が困っている」と水や食料などを義母宅へ送ってくれました。「情けは人のためならず」という言葉があります。「人に親切にすればやがてはよい報いとなって自分にもどってくる」という言葉の意味を私は義母の姿から学びました。義母が困ったとき、弱ったときに友人達が義母のために奔走してくれたのは、義母もまた友人達のために尽力したからだと思いました。「あなたが産まれた時、周りの人は笑ってあなたは泣いていたでしょ。だからあなたが死ぬとき、周りの人が泣いて、あなたが笑っている。そんな人生を送りなさい。」義母の人生はまさにネイティブアメリカンの言葉のようでした。

2015年2月24日火曜日

夫婦ゲンカは

ラジオで夫婦ゲンカの話になって
そういえばうちもあったなぁと思い出した。

夫婦喧嘩は犬も食わぬといいますがホントにそうだと思う。

2015年2月23日月曜日

私たちが人生で出会う最も美しい人たちとは

私たちが人生で出会う
最も美しい人たちとは
挫折を知り
苦しみを味わい
失うことを知り

もがきながら戦い
どん底から這い上がった人たち。  

            
このような人たちは
感謝をする。            
細やかな心になる。           
人生というものを理解する。           
だから
思いやりにあふれ
寛大で
深い愛を持つことが
できるようになる。  
            
美しい人間が
突然できあがることはない。            
美しい人間は
このような経験をとおして
創りあげられていった人たちである。
なぜならば
相手の苦しみや感動を
理解できない
からだ。

surhday.tv  フェイスブックページより

2015年2月22日日曜日

恩送り

職場のおばちゃんたちが食事に誘ってくれて
3人でお茶を飲んでおしゃべりしてきました。
義母のお悔やみのことで「本当は香典を用意しようかと思ったんだけれど
関係を広げてしまうとお返しなどあとでご主人が大変になるだろうから」
とあえておばちゃん二人は「子ども達と一緒に食べて」と
私に内緒で買ってきたケーキをお土産に持たせてくれました。
「何もしてあげられなくてごめんね」といわれましたが
私は二人の気持ちがすごく嬉しくて。
私もいつか逆の立場になったとき
おばちゃん達が私にしてくれたことを他の人にお返ししたいな
と思いました。


ケーキを見て大喜びの子ども達
この後、あっという間にケーキはなくなりました

2015年2月21日土曜日

貴女

お義母さん。
メールの中で私を「貴女」と呼んでくれた人。

「貴女」って言われると
なんだかカッコイイ女の人になったみたいで
ちょっと恥ずかしかったけどとっても嬉しかった。

2015年2月20日金曜日

結婚している人がすごいと思うところ

結婚している人は相手のことを考えたり、相手にあわせたりするから
なんだかそれだけで結婚している人ってすごいな、って思う。

2015年2月19日木曜日

人の心は深い井戸に似ている

 ここにもし二つのよく似た井戸があり、一つには密かに金銀が、もう一つにはクズ鉄が投げ込まれたとしましょう。金銀もクズ鉄も一瞬、水面に波を立て、跡形もなく井戸の深みに消えてしまえば、どちらに何が投げ込まれたのかは忘れられてしまうでしょう。
 月日が経ち、地震が起きて井戸の底が揺さぶられ、一つの井戸には金銀が、もう一つの井戸にはクズ鉄が浮かびあがるとき、人は二つの井戸に沈んでいた物の違いを知ることになるでしょう。
 人の心も深い井戸に似ています。日常、何げなく過ごしてしまう出来事は、井戸に投げ込まれた石のように、必ずある波紋を心の表面に引き起こして、心の底に沈んでいきます。
 今、この瞬間、人はある出来事をどんなふうに受けとめ、感じ、考えながら生きているのでしょうか?そのとき、その人自身がはっきりと自覚したり、認識するか否かにかかわらず、体験の鱗片、記憶の塵は刻々と心の井戸の底に積もっていくのです。
 深い海の底には、マリーンスノーが絶え間なく降り積もっています。ある海底探検の記録映画を見たとき、闇に閉ざされた深い海底がサーチライトに照らし出されて、それはまるで深い雪国の粉雪がしんしんと降り積もるような情景でした。粉雪と見えたのは、海のプランクトンなどの微少な生物の死骸でした。海底には来る日も来る日も、海での生命を終えた生き物のなきがらがマリーンスノーとなって降り積もるのです。その堆積が長い年月をかけてじっくりと海底の地層を形成していくと考えられます。
 このマリーンスノーのように、人の心の井戸の底には、人がその日その日を刻々と生きた感情体験の記憶の片鱗が絶え間なく降り積もっていきます。それがやがてその人の心の地層を形成していくのです。

抱きしめてあげて 育てなおしの心育て  渡辺 久子 著  より

2015年2月18日水曜日

絵本cafe たっちコラム no.20

2012年4月号のたっちコラムです。

 先日、念願だった絵本cafeをしました。きっかけは私が以前に読んだ、四日市にある絵本屋さん増田喜昭さんの「子どもの本屋はメリー・メリーゴーランド」。大人達が絵本を持ち寄っては絵本について真面目に語り合うシーンがよく登場していて、私もいつかやってみたい!!と思っていたのです。そして思いきってあそび工房で一緒に活動しているスタッフに声をかけ、好きな絵本を一冊持ち寄って絵本の話もまじえながらランチすることにしました。知っている絵本でも「へぇ、こんな見方もできるんだ」という新しい発見があったり知らない絵本に出会えたり、ととても楽しい時間を過ごすことができました。あるお母さんが紹介してくれたのは「こどものとも年少版 ふくざわ ゆみこ 作 ともだち できたよ」初めての遠足に心細い思いをする主人公。同じように不安そうにしている子と一緒にちっちゃな困難を乗り越え、お母さんに「ぼく、ともだちできたよ」と喜んで帰っていくお話。それを読んだら、入園して泣いてばかりいた娘さんが絵本の中の登場人物に自分を重ね合わせて、それからは泣かないで幼稚園に行けるようになったそうです。きっと絵本の中の主人公とともに自分の心の中の壁を一つ越えることができたんでしょうね。そういう話を聞くと、ああ、絵本っていいなぁって思います。

会場に選んだのはroom 58 
とっても素敵なカフェです


2015年2月17日火曜日

「やわらかいいのち―思春期心身症と呼ばれる少年少女たちに―」 谷川俊太郎

  1
どうしたらいいの
どうしたらいいの
問いかけるあなたの言葉が
私の中に谺(こだま)する
答えのない私の中に―どうしたらいいの
どうしたら
私の中にあなたがいる
ひっそりとひとりで立ちつくしている
心はもつれあった灰色の糸のかたまり
だがその糸が私とあなたをむすんでいる
どうしたら
どうしたらいいの
問いかけることであなたは糸の端を
しっかりと握りしめている

   2
あなたが歩くことのできるのがおどろきだ
あなたがごはんを食べているのが
歯をみがくのが私にとっておどろきだ
あなたのふたつの眼から
涙のにじみ出てとまらないのがおどろきだ
あなたは海をみつめて放心している
その顔にかくされた美しさがおどろきだ
そしてもしもあなたが死ねるとしたら・・・・・・
死ねるとしても―
そのことの中に私は
あなたのいのちの輝きを見るだろう
私たちの生きる証しを見るだろう 
  
   3
怒りながら哀しんでいる
戸惑いながら決意している
突き放しながらしがみついている
ひとつの顔
世界中でたったひとつのあなたの顔
その顔はかくしている
誰にも読みきれない長い物語を

拒みながら待っている
謝りながら責めている
途方に暮れながら主張している
ひとつの背中
かたくなにみずからを守るあなたの背中
その背中は呟いている
自分にもつなげないきれぎれな物語を

   4
どこへ帰ろうというのか
帰るところがあるのかあなたには
あなたはあなたの体にとらえられ
あなたはあなたの心に閉じこめられ
どこへいこうとも
あなたはあなたに帰るしかないだがあなたの中に
あなたの知らないあなたがいる
あなたの中で海がとどろく
あなたの中で木々が芽(め)ぶく
あなたの中で人々が笑いさざめく
あなたの中で星が爆発する
あなたこそ
あなたの宇宙
あなたのふるさと

   5
あなたは愛される
愛されることから逃れられない
たとえあなたがすべての人を憎むとしても
たとえあなたが人生を憎むとしても
自分自身を憎むとしても
あなたは降りしきる雨に愛される
微風(そよかぜ)にゆれる野花に
えたいの知れぬ恐ろしい夢に
柱のかげのあなたの知らない誰かに愛される
何故ならあなたはひとつのいのち
どんなに否定しようと思っても
生きようともがきつづけるひとつのいのち
すべての硬く冷たいものの中で
なおにじみなおあふれなお流れやまぬやわらかいいのちだからだ


1990年出版「魂のいちばんおいしいところ 谷川俊太郎詩集」より

2015年2月16日月曜日

名刺のこと

絵本「いのちのまつり」を読んでから草場一壽さんを知りました。

草場さんは陶彩画家で、陶彩画とは有田焼の手法を使った焼きものの絵画です。
きれいな画が多いので好きなのですが
最近、その陶彩画入りのオリジナル名刺も作れると知っていいなと思いました。
その名も「名前は祈り」。
名前は特別なものだし、こんなきれいな陶彩画入りの名刺をもらったら
もらった人は忘れないだろうなぁ。


2015年2月15日日曜日

美しい瞳であるためには

美しい瞳であるためには、他人の美点を探すこと。
美しい唇であるためには、美しい言葉を使うこと。

オードリー・ヘップバーン

2015年2月14日土曜日

映画

今日から9日間限定で映画祭が始まる。
チケット一枚で4本の映画が観られるお得な映画祭。
私は両親に前売り券を買ってプレゼントした。

映画好きな父。
父が定年になって時間に余裕が出てからは母と2人で映画を見に行くようになった。
先日も「映画を見に行こうと思ってはりきって部屋の片付けをしていたら
どういうわけか孫がみんな来るから、結局映画を見に行けなかった~」と母が言っていたので
映画祭のことを思い出してチケットを買ってきた。

定年になって子どもの手が離れたら
また二人っきりで一緒に出かけたりできたらいいだろうな、と思う。


2015年2月13日金曜日

SING LIKE TAKING

カーラジオからSING LIKE TAKINGの歌が流れてきた。
高校の時、友達が好きで
確か彼女もラジオから流れる彼らの曲を聴いてファンになったんじゃなかったかな。

一気に高校時代のいろんなことが頭の中に蘇ってきた。

2015年2月12日木曜日

おひなさま

この時期になると実家の至るところに飾られるおひなさま。
おひなさまを見つけると少しずつ母が買い足していった模様。
私もこんな季節を感じられる感性を受け継ぎたかった……。







桃の節句についてはこちらのページで詳しく解説されています。
私も知らないことがいっぱいで勉強になりました。
http://www.i-nekko.jp/nenchugyoji/gosekku/jyoushi/

2015年2月11日水曜日

おてんとうさまの 相田みつを

おてんとうさまの
ひかりをいっぱい
吸ったあったかい
座ぶとんの
ような人

相田みつを

2015年2月10日火曜日

合格祈願 その2

文房具店に買い物に行った主人。
またまたこんな合格グッズも買っていた。

消しゴムと鉛筆は合格で五角形なのだとか

2015年2月9日月曜日

ラジオドラマ

車を運転するときにカーラジオをつけるのだけれども
いつもおもしろいと思って気に入っている番組があります。

あ、安部礼司

Sound Library ~世界にひとつだけの本~


AVANTI は高校生の頃から好きな番組だったけれど終了してしまいました。


ラジオドラマって、映像がなくて声だけで
その場面を聴いている人に想像させるから
ラジオドラマの役者さんってすごいなっていっつも思う。


2015年2月8日日曜日

合格祈願

子どもの合格を願って、といいながら
私たちに内緒でこんなにお菓子を買い集めていたまるたま家の主人。


2015年2月7日土曜日

里芋のこと

里芋はあまり好きではありませんでした。
主人と結婚するまでは。

義母はよく里芋を煮てくれました。
ツナの缶詰と里芋を
醤油と酒を入れて圧力鍋で煮るだけ。
それがすごく美味しくて。
「里芋ってこんなに美味しいんだ」と知ってからは
私もツナと一緒に里芋を煮たり
料理本を見て義母とは違った出汁風味の煮っ転がしにしてみたり。
里芋の美味しさを教えてくれたのは義母でした。

2015年2月6日金曜日

「平和の祈り」 アッシジの聖フランシスコ

主よ
わたしを平和の道具にしてください。
憎しみのあるところに愛を
争いのあるところに和解を
分裂には一致を
疑いには信仰を
誤りには真理を
絶望には希望を
悲しみには喜びを
闇には光をもたらすことができますように。
主よ
わたしたちがあれこれ求めることをやめ
かえって
慰められようとするよりも慰めることを
理解されようとするよりも理解することを
望ませてください。
恵みのうちに恵みを受け
ゆるしのうちにゆるされ
死のうちに永遠(とわ)に生きるのだから。


2015年2月5日木曜日

毛糸のボンボン

学校で作り方を習ったらしく、家にある毛糸でボンボンを作る末っ子。
小さいイトコ達にもボンボンを沢山作っては分けていた。


2015年2月4日水曜日

フリーペーパーのこと

年末にもらってきたフリーペーパー「一報一歩」(第20号)

ダウンロードすることができます
http://www.minpuku.net/publics/index/39/
特集は「初詣へでかけよう!」
そうか、そういう特集もいいかも!!

一報一歩は市内に新しく引っ越されてきた方向けの情報が掲載されています。
キッズ★アリペとはまた違う読者層ですが
こういう特集を組むなんて私にはまったく考えていなかったので
この視点はマネしたいと思いました。

2015年2月3日火曜日

こども食堂

ねりまこども食堂 http://shoku.necopro.jp/about.html なるものを見つけました。


この春スタート予定の食堂。
食事は給食だけの1日1食という子どもや、親が忙しくて食事を一人でとる「孤食」の子や
カップ麺やお菓子を夕食にする子どもにバランスのとれた食事を、
食事をとることを「嬉しい」「楽しい」と気づいてもらうための食堂だそうです。
予定では月2回、高校生までの子どもは1人300円、家庭の状況によっては無料で
食事を提供するのだとか。

私の周りでも給食1食のみの子どもはいるのだろうか
私は大家族で育ったので、みんなでワイワイ食べるご飯の美味しさを知っているけれど
さみしく一人で食事をとっている子どもがこういう食堂でみんなで美味しく食事をとれたら
とってもご飯が美味しくなるだろうなぁといろいろ想像しました。

一度、行ってみたい食堂です。

2015年2月2日月曜日

我が家の防災部長 たっちコラムno.19

2012年3月号のたっちコラムです。

 東日本大震災から一年が経ちました。震災で亡くなられた方、被害に遭われた方、心よりお見舞い申し上げます。我が家の防災部長、それは主人です。あの震災の前もしばしば「非常用に食料を備蓄しよう」「ペットボトルの水も多めに買っておこう」と言われても「うん、でもお金のあるときに買うから」と正直、非常時対策としての備蓄品のことを真面目に考えていませんでした。そしてあの震災。防災部長の言葉に素直に従わなかったことを後悔しました。ですが、セール品だった乾パンやアルファ米、スーパー保存水を少し買っておいたため、なんとかそれらを食べて震災直後は食糧難をしのぎました。現在は防災部長の指揮の下、今度はケチらずに水や食料、乾電池、災害用トイレを購入し、食料品も定期的に点検して賞味期限がきれるものについては新しいものと交換しています。震災前は避難所に救援物資が届くまでの3日間分の備えがあれば大丈夫だといわれていたのでその量を目安として考えていたのですが、現在は家族5人が2週間すごせることを基準に考えています。大きな地震のあとには本震からマイナス1の規模の地震がくるといわれています。また大変な災害にならないことを祈るばかりですができる備えはしておこうと思います。

備蓄品の一部を支援物資でいただいたリュックに詰めて
車内でも保管しています

また、地震発生からのできごとを克明に振り返ったほか
震災から得た教訓を「震災から学んだ14のこと」にまとめました。ぜひご覧ください。

2015年2月1日日曜日

心耳(しんに)を済まして

去年のこと。
義母は体調を崩してから、元々聞こえにくかった耳もだんだん聞こえなくなった。

子ども達の学校で行われた校内合唱コンクールの様子が収められたDVDが出来上がったので
それを実家に持っていった。
上の子と真ん中の子の子がピアノ伴奏をした自由曲の演奏が始まる。
もう耳もほとんど聞こえていないのに
一生懸命耳を澄まして画面から流れてくるピアノの音を聞こうとする義母。
そして曲の間奏のときにはピアノを演奏する真剣な子どもの姿が画面いっぱいに映し出され
「上手だね、上手だね」と義母はとても喜んでDVDを見てくれた。

私は、以前アリオスペーパーの表紙を飾った一枚の画を思い出した。
「心耳(しんに)を済まして」

ああ、まさに義母は心耳(しんに)を済まして聴いていたんだろう。