2014年12月19日金曜日

「おかあさん、ぼくが生まれてごめんなさい」 山田康文くんとお母さん

ごめんなさいね おかあさん
ごめんなさいね おかあさん
ぼくが生まれて ごめんなさい
ぼくを背負う かあさんの
細いうなじに ぼくは言う
ぼくさえ 生まれてなかったら
かあさんの しらがもなかったろうね
大きくなった このぼくを
背負って歩く 悲しさも
「かたわの子だね」とふりかえる
つめたい視線に 泣くことも
ぼくさえ 生まれなかったら
わたしの息子よ ゆるしてね
わたしの息子よ ゆるしてね
このかあさんを ゆるしておくれ
お前が脳性マヒと知ったとき
ああごめんなさいと 泣きました
いっぱい いっぱい 泣きました
いつまでたっても 歩けない
お前を背負って 歩くとき
肩にくいこむ重さより
「歩きたかろうね」と 母心
“重くはない”と聞いている
あなたの心が せつなくて
わたしの息子よ ありがとう
ありがとう 息子よ
あなたのすがたを 見守って
お母さんは 生きていく
悲しいまでの がんばりと
人をいたわる ほほえみの
その笑顔で 生きている
脳性マヒの わが息子
そこに あなたがいるかぎり
ありがとう おかあさん
ありがとう おかあさん
おかあさんが いるかぎり
ぼくは 生きていくのです
脳性マヒを 生きていく
やさしさこそが、大切で
悲しさこそが 美しい
そんな 人の生き方を
教えてくれた おかあさん
おかあさん
あなたがそこに いるかぎり

「親から子に伝えたい17の詩」に収められているこの詩を初めて読んだ時、
涙が止まりませんでした。
障害を持って生まれたことにごめんなさい、と謝らなければいけない、
そんな社会や現実に涙したのもありますが

息子と母親の、互いが互いを思いやる、その美しい心に感動しました。

この詩は詩集の最後から二番目にあり
そのあとに「名前は祈り」の詩が続きます。

お母さんの美しい祈りを、康文くんは何度も何度も授かっただろうと
そう思うとまたまた涙が溢れて止まりませんでした。
「おかあさん、ぼくがうまれてごめんなさい」の詩が生まれるまでに
大変な苦労があったことを知りました。

美しい詩です。

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