2014年3月25日火曜日

ぼたもち

社会人になって私の上司になった人は少しクセのある人だったけれど、私に仕事のイロハを教えてくれた。時には厳しいご指導をいただいて落ち込むこともあったけれど、私はかわいがられたと思う。

上司は結婚のために仕事を退職するというととても喜んでくれた。最後の出勤日はお彼岸の連休が明けた日。私の為にぼたもちを沢山作って得意げに職場に持ってきた。それを見た私が「ほんとに作ってきてくれたんですか?!」と驚いたのを今でも覚えている。

「私はね、奥さんよりも料理が上手なんですよ。でもね、ぼたもちだけは奥さんの方が上手なんです。」
あるとき、そんな会話になった。ぼたもちは牡丹の花が咲く頃、おはぎは萩の花が咲く頃に食べるから季節によって呼び名が違うこともその時知った。(私は一年通じて「おはぎ」と呼ぶと思っていたから)
「今度、うちの奥さんの作ったぼたもちを持ってきますからね。」と言ってはいたけれど、まさか本当に持ってきてもらえるとは。

担当の部署だけでなく、職場の人達全員でぼたもちをいただいた。あんころもちとごまもち、どちらもとっても美味しかった。

仕事を辞めても年賀状は必ず送っていたのだけれど、ある年から上司は転居したのか出した年賀状がこちらに戻ってきてしまい、今はもう年賀状を送れないでいる。上司は今どうしているだろうか。

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